ようこそ、いらっしゃい。スナック茜へ。
会社の総務部(一人)を一人で切り盛りしている茜ママ。
春です。花粉です。早速茜ママは目のかゆみを訴えています。
涙目になりながら、そっと昔の話をしてくれました。
濡れた卒園式。
春だからって、卒ネタばっかりでごめんなさいね。
私の住んでる街にはね、私が保育士の時に教えてた子もいるの。
コンビニの前にいたりする。
茜せんせー!って声かけられる。
普通に。
あの子たちもすっかり大人になって、夜の街へ繰り出しているのね。
昔はおもらし、はなたれ、なきむし上等だったのに。
季節も季節だから、あの子たちが卒園した時のことを思い出してたの。
私の最初の卒園生の見送りの年。
卒園式は各クラスの担任が、卒園生の名前を呼ぶっていうスタイルね。
今日のためにおめかしした子たちが私の前にきちんと整列しているの。
私のクラスが一番立派。
皆きちんと座ってた。
いよいよ私のクラスが卒園証書をもらうっていう時になって、私は名簿に書かれた名前を一人ずつ読み上げた。
もうね、感極まってた。…実をいうと、練習の時から半分泣いてた。
一人目は大丈夫。
二人目もなんとか。
名前を呼ぶたびにいろんな思い出がよみがえってきたの。
何人目かはもう忘れてしまったけど、ついに私は嗚咽で名前を呼ぶ事すらできなくなったの。
そしたらね、園児たちがそっこーで列を乱してまで私のところまで集まってきちゃったの。
ハンカチを渡したりね、頑張れ!って応援してくれてたりね。
優しい子たち。
自分たちの卒園式なのに私なんかのために。
急いで整列をさせて、再度読み上げよう…と気持ちを切り替えるために前を見た瞬間だった。
もうね、父兄も私を応援しだしているのが見えたの。
私、今間違いなく主役をとってる…ううん、主役は卒園生なのに私が主役を食っちゃってる。
落ち着かせなきゃ!という焦る気持ちがさらに嗚咽を生んで、もうしゃくしゃくな状態。
そこからね、小さく聞こえてくるのよ。
『がーんばれ!がーんばれ!』って。
卒園生・父兄が一同となって、私を応援しだしちゃったのね。
いつも言ってた
『誰かが困ってたり、泣いてたりする時は助けてあげよう!』
というクラス目標がここでも達成されてた。
しっかり見送らなきゃいけない立場なのに、私が一番心配されてた…そんな卒園式だった。
あの頃の子も、もう18歳を越えてるのね。
あの時のクラス目標はまだ守られているのかしら。
私、困ってる。
ずっと日照りが続いているの。
枯れた心で泣いてるの。
だから…素敵な男性に育った諸君、どうか私を今の沼から救出させてください。
日本の法律では、男性18歳はもう結婚できるそうです。
かしこ。