第七回おぼろレビュー
『耳をすませば』 スタジオジブリ
ついに、魔界の門を開く時が来てしまった様です。
こちらを選択してくださったのは、会社のめぐみねーさんです。
めぐみねーさんもかなり映画をご覧になってる方で、二人であれ見たこれ見たなんて話をさせてもらう時があります。
今までおぼろレビューのお題決めは男ばっかりだったので、『THE 女性』なめぐみねーさんに女性からの視点という事で今回お題を決めていただきました。
それが『耳をすませば』だったのです。
最初はわざとだと思ったのです。
め『甘酸っぱい青春を思い出して自己嫌悪に陥るがいい!』
みたいな感じで。
でも、話を聞いてみたら違いました。
めぐみねーさんは、素で『耳をすませば』を楽しめる方の様です。
さすが!としか言えません。
『耳をすませば』…自分にとって、最強のトラウマ物語だと思ってます。
好きな子の先回りして本を読んでおいたり、微妙な三角関係出来ちゃったり、ヴァイオリン弾いちゃったり、一緒に朝日見ちゃったり、かんとりーろー…
見ててすごく気恥ずかしくなっちゃうんですよね。
自分が一番阿鼻叫喚しちゃう絶叫シーンは…
『勢いで杉村くん、しずくちゃんに告白。』です。
事前にしずくちゃんは友達の三つ編み女子から、杉村くんが好きという相談を受けていました。
それなのに、友達の好きな人が自分の事を好きという事がわかって、もう甘酸っぱい。
実際、自分はさえない中学生時代を過ごしているので、こういった境遇に遭遇した事ないです。
それなのに見ていてとても気恥ずかしくなるのです。
そして、気恥ずかしさとともに中高生の時に『やってしまったあらゆる出来事』が脳内を駆け巡って、自己嫌悪に陥るのです。
思い出地雷がどっかんどっかんなのです。
こんなに見るのが辛いのに、『夏のジブリ祭り!』とかで放映してると、うっかり最後まで見てしまいます。
最後のシーンを見計らって、関係者に『耳をすませば、そろそろクライマックスです』というメールを送ったりします。
皆さんから非難のお返事をいただくたびに、『やっちゃったのは自分だけじゃない』っていう安心感に包まれる…そういう作品だと思います。
ただね…
ただ、なんですけど…
自分が年を重ねたのかなんなのか、去年も夏に『耳をすませば』を放映していて、眺めていたんですけど…
ちょっとじーんとしてしまいました。
せいじくんが一生懸命未来を考えていて、しずくちゃんもそれに見習ってお話を書き始めて、でもうまくいかないで、ようやく完成!というところでじーんとしました。
一つの事を最初から最後までやり遂げるって大人でもとても難しい事だと思います。
それを中学生が一人で手さぐりの状態でやっていくんですよ。
で、完走するわけですよ。
あー…頑張ったねー…しずくちゃん、頑張ったねー…
って、感動していました。
20代の頃は気恥ずかしくて、もう辛い!って思うのですが、30代になると見方も変わってくるんだなって思いました。
自分はたまたま30代だったけど、もっと早くに見方が変わった人もいるかもしれないし、まだ気恥ずかしい!っていう自分より年上の人もいるかもしれません。
自分もまだまだ気恥ずかしさは抜けないのですが、毎回見ていくたびにまた別の見方をしていくのだろうと思います。
そういうわけで、また次回放送されていたら見るんだろうと思います。
いつか、自分が若かりし頃に犯した失態たちが浄化してくれるのを祈りながら…じっくり見させていただこうと存じ上げます。
よしなに。