ようこそ、いらっしゃい。スナック茜へ。
会社の総務部(一人)を一人で切り盛りしている茜ママ。
ミナライちゃんがお店に来て、修学旅行の素敵なお話を聞かせてくれました。
でも、ママの顔はちょっと曇っています。
どうしてでしょうか。
ス(クール)トリップ。
ミナライちゃんがね、甘酸っぱいお話を聞かせてくれたの。
ありがとう。
でもね、私、お話を聞いてて疑問がたくさん浮かんだの。
まずね、『ミナライちゃんの住む世界は日本?』って。
私が住んでる日本と同じ日本なの?
私が違うの?
ラビリンスは私の方?
そんな疑問がぷつぷつと浮かんでいたの。
ミナライちゃんがお話してくれたのは、彼女の小学生時代の修学旅行の話。
私の小学生時代の修学旅行…
確か私、ストリップしてた。
ストリップっていってもね、かわいいものよ。
くねくねしながらブルマに手をかけて、脱いだそこにはまたブルマ。
最初からブルマを数枚重ねて着ておいて、それをストリップの如く脱いでただけよ。
うっふん。
ミナライちゃんが採れたてのイチゴだったら、私は瓶詰めのジャムだったかもしれない。
甘酸っぱいんじゃない。
甘ったるい濃厚な夜にストリッパー茜が馳せ参じてたの。
どうしてストリップに及んだかは覚えてないの。
ただ、楽しくて。
なんとなく、私、脱いだ。ブルマを。
当時はまだ『安心してください』っていうのはなかったし、私も普通に明るい茜だった。
脱ぐことでしょっぱい修学旅行をごまかしてたのかもしれない。
時代…なのかもね。
ムラタくんに確認したけど、ムラタくんのところにもストリッパーは出現していないみたい。
だから、時代じゃない。
国が違ったの。
私、どの国で修学旅行に行ったのかしら。
もし、もう一度日本の修学旅行に参加できるのなら…
その時はふわふわした気持ちで、誰かを待っていたい。
レゲェパンチを、枕元に置きながら。
かしこ。