【スナック茜】アカネの涙。

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ようこそ、いらっしゃい。スナック茜へ。

会社の総務部(一人)を一人で切り盛りしている茜ママ。
あら、しおちゃん…いらっしゃい。すっかり日に焼けたのね。
なんだか水泳選手みたいね。
ため息をつきながら、茜ママが水泳に関するお話をしてくれました。

アカネの涙。

小学生の頃のプールが大嫌いだったの。

今はどうなのかわからないけど、私の時代では帽子の色でランク分けされてたの。
私、赤だった。

赤帽ね。
なんにもできない赤。
六年間赤だった。

私の学校ではね、赤→白→黒っていうランクになってたの。

黒にいくほど泳げる子ね。
さほど泳げない子でも、六年間水泳の授業をやることでだいたいの子が黒になってた。

でも、私は最後まで赤を貫きとおしたの。

カナヅチかって?

違うの。
泳げる。
ううん、うそ。
泳げるわけじゃないのね。

顔を水につけることはできるの。

水恐怖症ではないから、『スワンの涙』とは違うの。
シャワー大好きよ。うっふん。

スワンの涙ってね、宮沢りえさんが主演をつとめてたドラマ。
わからない人は忘れてね。ぐぐったりしないで。年がわかっちゃうから。

それで、私の水泳力なんだけど…プールの端を蹴って、そのまま潜水しながら推進力だけで進んで…
それで終わりっていう具合。

クロールとか平泳ぎとかできないの。

泳げない…ううん、泳がない一つの理由はね、プールに虫が浮いていたこと。
私、虫がとっても苦手なの。

ゾッとしちゃう。

小学校のプールで、蟻とか蛾とかがぷかぷかしてて、ゾッとした。

その虫の死骸が友達の水着に侵入するのを見た時に、私はプールで泳ぐことをやめた。

もう一つはね、ブザマだからなの。

クロールも、平泳ぎも、背泳ぎも…本当にぶさいくになると思ったの。
当時の私は。

思春期だったのよね。
誰も私の泳いでる顔なんて見てないのに、見られてる!って思ったら、息継ぎができなくなったの。

息継ぎをしないで25メートルを泳ぐ術がなかった。

赤帽のままだったから、皆に応援された。
『茜ちゃん!がんばれ!茜ちゃん!がんばれ!』
相当リズミカルだった。
私にはそれが苦痛だった。

そうやって高校まで上がって、そこにもプールの授業があった。

どうして!って思った。
でも、ありがたいことに選択制だったの。

確かテニスかプールかで。

私は三年間、夏のくそ暑い中、テニスで汗を流した。

ふと見上げた先にはプールできゃっきゃしている同級生の影。

虫よ。

あの娘たちの水着にイヤというほど侵入しておやり。

私は炎天下でそう呪い続けた。

今度、甥っ子と浅いプールで水遊びをするの。
それだけが楽しみ。

だって…もう私をプールに連れてってくれる人はいないもの。
かしこ。

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コメント

  1. かおりん より:

    本当、茜さん 面白すぎます。
    更新楽しみにしてます!

  2. スナック茜 より:

    かおりんさん、いらっしゃい。

    面白すぎるだなんて…照れちゃいます。
    機会があったら、かおりんさんの破天荒っぷりもお聞かせくださいね。

    かしこ。

  3. 悠汰 より:

    お久しゅうございます。

    自分は25m息継ぎ無しで泳ぎます。
    それは息継ぎする時に口開いたら口の中に虫と枯れ葉が入ってきたから。
    理由は似てますが、自分は25m息継ぎ無しは苦しいから早く泳がなくちゃとの強迫観念からなのであります。

  4. スナック茜 より:

    あら、悠汰さん…お久しぶり。

    ずいぶん顔を見ていなかったから心配していたのよ。
    どこか別のスナックに行っちゃったのかしら…って。

    悠汰さんは25m息継ぎなしで泳げるのね。
    理由が似てて、ちょっと笑っちゃったわ。
    でも、早いからできるのよね。

    私なんてのろのろだから、どうやっても無理よ。
    どうしたら早く泳げるのか、陸の上でご指導してね☆

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