ようこそ、いらっしゃい。スナック茜へ。
会社の総務部(一人)を一人で切り盛りしている茜ママ。
夏が近づいています。茜ママはちょっと深刻な顔つきです。
今日はどんなお話が聞けるでしょうか。
湘南インモラルアフェア。
白いビキニの水着の女の子と海でデートってしたことある?
よかった。
ないのね。
私は白いビキニの水着で海へ遊びに行ったことがあるの。
勝負のつもりだった。
あれは22歳の頃だったと思う。
私ったらやっぱりおバカさんでね、男と一緒に海に行ったの。
その男もね、短大の友達の紹介だった。※魔法は使わない。
腹筋がシックスパックだったの。
まだ付き合ってはいなかった。
でも、まぁまぁいいかな…っていう感じだった。
だから、あわよくば付き合ってもいい。
向こうが言い寄ってきたら、付き合ってあげてもいいかなって思ってた。
それでね、私、白いビキニの水着を新調したの。
1万円くらいのね。
奮発したの。
どうして白にしたかって?
純粋…ピュアな私を見て欲しかったから。
それでね、海に行ったの。
湘南よ。
青い海、輝く太陽、ちょっと黒ずんでいるけどどこまでも広がる砂浜…
私、海大好き♪みたいな感じではしゃいだの。
波打ち際でグラビアアイドルみたいに、ぺたんって座ってみたりした。
悩殺とは言わないけど、それで相手が私を気になりだしたらって思ったの。
だって22だもの。
調子にのったっていいじゃない。
でも、その調子にのったのが…仇になったの。
二人で座ってた。
海っていいよね…みたいな。
私は待ってた。
相手が告白をしてくるのを。
告白だなんて大それたものでなくていい。
付き合っちゃう?みたいなノリでいいの。
それくらいの方が私だって気楽でいられた。
ふいに、私は自分の股間を見た。
…大変なことになっていたの。
白いビキニに波打ち際で遊んでいた時に入ったであろう黒い砂粒が侵入していた。
侵入スパイだった。
すぐに気楽でなくなった私。
相手がどうか、私の股間を見ないように祈った。
気が気でなくなった私はトイレに行くふりをして、なんとか黒いスパイたちを洗い流そうとした。
でもね、強かった。
スパイたちは全然音を上げなかった。
はらっても、はらっても、黒い砂。(ft2.murata)
そして私はさらなる悲劇を目の当たりにしたわ。
胸のところにもね…今回のためにさんざん盛った胸にも黒いスパイたちが侵入していた。
そのスパイたちも股間同様、全く取り去ることが出来なくて…
私は諦めて相手のところに戻った。
股間も胸も見ないで欲しい。
武器として用意した白いビキニは、黒く染まったまま、私に刃を向けた…
そんな夏の思い出。
湘南の思い出。
その年、私は青い水着を買った。
それと、黒い砂粒がある海岸にはもう二度と行かないって誓いを立てた。
いろいろあったけど、私はその男と付き合うことになった。
その男は数々の伝説を残すことになるけど…それはまた別の時にね。
かしこ。